何か興味を与えられて生まれる人間なんていない。生まれた時から「自分はこれに興味がある」なんてことは無い。だから、人の興味や目標って、結局のところ経験から作られるもので。もし興味を向ける対象が定まらないような生き方であれば、それは、興味はどこにも向かない。
だから、何にも打ち込むことが無いとか、自分のやりたいことが定まらない、と悩んでいる人もそんなの当たり前なんです。別に、見つからないこと自体に、何か自分を蔑む必要もない。
むしろ、人生の途中で自分はこれをやる!なんて決まっている人は劣等感を持っている人が多い。あれも苦手、これも苦手、でもこれだけは得意!というような、一点集中型に陥れば、早い段階で結果を出すことができる。その先で、成功体験を得て、人生においてやるべきこと、というように設定されていくのかと。もっとも、大人になるにつれて頭の使い方がわかってきたりすると、別に他のなんでもトライすれば出来ると気づき、本来一点集中で得た興味すら、他に移ってしまうこともある。1つ成功したということは、後は同じ思考や考え方の応用で他も成功出来るから。
または、色々得意だけど、ずば抜けてこれは得意!というようなタイプ。頭の使い方を早い段階で知って、何をやっても上手くいくけれど、なおかつ何か極めたいものを見つけられたスーパーマンタイプ。この手の人は劣等感とはまた違って、自分のプライドが高くなる傾向がある気がする。みんなこんな人になりたいと憧れるけれど、そもそも親が頭の使い方なんて知らないことが多いから、そうそう育たない。さらに1つ成功させると応用して別のジャンルでも成功したりする。
で、最も多いのが中間のそこそこタイプ。運動も勉強も平均的、人付き合いもそこそこ上手くいってる。この位置で育った人は、特に自分の好き、なんて見つけづらいと思う。心の底からこれがやりたい!と思わせてくれるような衝撃的な出会いがあれば別だけど、大抵の人はなんとなくこれかもしれない、で進むしかない。なんとなくこれかもしれない、で例えば大学や専門学校、もしくは就職をして、何かしらの業界に入る。そこで長い間続けていれば、結果が出て、やがて自分のフィールドが出来てくる。ただ、これは自分のフィールドが出来たというだけであって、本当に人生においてやるべきことか?と言われると、疑問に感じてしまう人も多いと思う。
世の中のほとんどは、中間のそこそこタイプだ。さらに、他のタイプだったとしても、興味が1つの何かに向き続ける、ということは稀だ。だから、人は、本当にこれが自分のやるべきことなのか? 本当は他にもっとすべき、というより実現したい生き方があるのではないか? なんて、思いを心のどこかに押しこめながら、自分はこれだ、という長い間時間を費やした何かを仕事とすることで、生きている人が多いんではないかと思う。心に聞いてみるといい。本当に今の仕事は自分のやるべきことか?って。
でも、聞いたところで、何がしたい、とかは出てこない。それが普通だと思う。一時的に出てきたとしても、それを達成してしまった時、次のやりたいことや打ち込めることが、どんどん出てくるだろうか。何かを求めるということは、達成するということだ。それは、案外早い段階かもしれないし、人によっては達成出来ないこともあるかもしれない。でも、大抵、本気でやればなんだって達成できる。
全ての人の到達点である達成後。ここが正念場だ。次のやりたいことを次々に見つけていけるかどうか。次のやりたいことに対するモチベーションを見つけられなければ、ただ、彷徨うことになる。どんなにやりたいことや実現したい現状があっても、それはいずれ達成出来る。だからこそ、達成後のモチベーションというところを考えてみる必要があると思う。
人間は元々、自分がやりたい、なんてことを持って生まれてきているわけではない。だから、次々に超えるべき壁を目の前に作り、自分で作った壁をどう乗り越えるか、というループを楽しむ力が必要だ。自分で目的を決めて、それに向かって突き進む。この時が一番楽しかったりする。で、1つ実現したら、また次の壁をつくり、実現する。この繰り返しに快楽を得られる性質に、自分を作り上げる必要がある。それが、本当の意味での精神的な才能であり、極めるべきことなのかなと。
ロジカルシンキングって考え方がある。論理的思考だとか、そういうの。あれが、何かを実現するための「実学」なのだとしたら、自分で壁を作って超えるループに快楽を得られる性質っていうのは、精神的に成功するための「精神論」でもあるのかな、なんて考えたりする。
僕自身はこの精神論において、未熟すぎるほど未熟だ。次の壁を作ろうとしても、モチベーションがあがらなかったりする。自分とか捨ててとにかく壁を作ってトライすれば、やっているうちに楽しくなってくるんだけど。そこに行くまでが割と長い。どうやって、次々に興味を全開にした上で次の壁を越えていけるのかを、もっともっと突き詰めなければならないのかもしれない。
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