世界の1つや2つ変えて見せる。そんな世迷言を言う世界が好きだ。

公開日 : 2015-11-13 / 最終更新日 : 2023-11-04

世界の1つや2つ変えて見せる。そんな世迷言を言う世界が好きだ。

挑戦したいと考えてしまう。何かを覆したくて仕方がないと思う。実際、それは社会にとってどんな見方をされているんだろうか。どういう意味が、そこに与えられていたんだろうか。 挑戦しよう、そう考える人は少なかった。減少の一途をた […]

著者: 上山 翔太

挑戦したいと考えてしまう。何かを覆したくて仕方がないと思う。実際、それは社会にとってどんな見方をされているんだろうか。どういう意味が、そこに与えられていたんだろうか。

挑戦しよう、そう考える人は少なかった。減少の一途をたどっていた。これまでの時代、自分の可能性に高望みをしない気持ちも分かる。それ以上に、今、この現時点の世界が人生を満足させるには充分で、さして一歩を踏み出す必要もないことも分かる。

けれど、自分自身としては、それでも何かに挑戦し続けたい気持ちは燻り続けた。今はほんの微力かもしれないけれど「世界を変えてみたい」なんて思うことや「目の前の問題や課題を解決出来る一発を打ち込みたい」そんな衝動を持ち続けていた。だからこそ、出来る出来ない関わらず、常に新しい概念から物事を仕掛けた。夢物語だなんて仲間内にすら否定された海外事業を、始めての起業と同時に開始した。

けれどもそれは、これまでの時代からすると、単純な「趣味趣向」でしかなかったのだろう。

今までの日本社会からすると「世界を変えたい」であったり「刺激的なサービスを世界に送り込みたい」ってことは、単純に、自分が「そうしたい」と願うからするだけのことだった。基本的に「これが欲しいあれが欲しい」の物欲やら「あの人とセックスしたい」なんていう性欲と大差ない。

生きるに必ずしも必要ではなかったからだ。

あってもなくても生きていけるもの。それこそが挑戦の正体だったように思う。あくまでも「そんな生き方がしたい」そう願ってやまない人の「趣味趣向」だったんじゃないだろうか。実際には、その挑戦に生活が支えられているのにも関わらず。

やりたい人が勝手にやればいい。そんな、趣味趣向だと考えれば、やりたくない人がいるのも、別にそういうの望んでいない、という人がいるのも納得がいく。「挑戦しなくても、平穏で穏やかな日々が過ごせればそれでいい。無理に何かする必要はない」そんな話を幾度と無くきいた。ちょっと前まで、何かを変えようとする人が覚めた目で見られることもしばしばあった。

ましてや「リスク」や「恐れ」さえ抱かれる趣味なんてものは、興味の対象にするには、あまりに変態的な領域だ。言ってみれば、みんな理性的になればなるほど、当然のごとく平穏を望むようになる。

そんな変態的な趣味がステージでスポットライトをあびるのは、平穏が崩された時だろう。平穏が崩された時に、みんなが何かやらなくてはと気づき、立ち上がりはじめる。そんな時代背景こそが、挑戦なんて言葉がスポットライトを浴びる瞬間だ。だから、特に挑戦することに興味が向かない世の中は、平和だってことだ。きっと、これまでの日本は良い時代なんだろうと思う。

けれど、みんながみんな平穏を望めば、衰退していくのは目に見えている。全員がハングリー精神を持って、「絶対に世の中にとって影響のある立場を築くんだ」なんて考えている世の中は、それはそれでダメだろうが、ようはバランスの問題だ。そんな想いが少なすぎてもダメなわけだ。

さて、今までは安定期だったとしても、今、この瞬間の日本はどうだろうか。

きっと、転換期なんだろう。

いい加減に取り残されて「変わろう」と、たくさんの人が動き出している。

そんな時代の節目を感じる。

大企業がどんどん挑戦しはじめている。それを見て、胸が高鳴るのを感じた。トヨタが人工知能に1200億円投資した。これは、自動運転や車に人工知能を埋め込む前兆かもしれない。

Sonyも瞬く間にVRヘッドセットを作って世界に先駆けてリリースしようとしている。ソフトバンクは周知の通り、集合知のロボットを世界で始めて販売開始。日産もいつの間にか自動運転できるEVを発表。シャープもはっきり言って謎すぎるけどロボット電話なんてものを出してきた。

そして、実際のところ周りの中小企業も、挑戦を始めている。スティーブ・ジョブズが作ったスマートフォンやウェアラブルの時代を「様子見」で乗り遅れた日本が、徐々に挑戦し始めているのを感じた。

そんな事実に、自分の心は、ただただ高鳴っているのを感じた。何か起きそう、これから面白いことが自分のいる土地から起こるんじゃないか。そんな時代に生きているんじゃないか。企業の活動に触発され、ワクワクするのだ。

このままじゃダメだ。何か挑戦しないと日本は衰退していく一方だ。

そんな意識を持って挑戦が受け入れられる世の中に変化していることを感じる。

やっぱり、こういう挑戦的な世界が好きだ。

単純に、自分の生まれた国に勢いがないってことや、世界の人と話をした時、昔ほど日本の技術に興味が無いことを感じるのは、なんだかんだ言って悔しかった。かと言って、日本さよならとか言って、海外に行ってしまうのもそれはそれで違うような気がした。

人の幸せは多様だから、別に日本が衰退したって幸せであればいいのかもしれない。

けれど、果たしてそれでいいのだろうか。例えば日本の経済が衰退し、影響力がなくなったとして。他のアジア諸国よりも日本人が安い給料で使われ、活躍しているのは全て日本人以外の人だったとして。それで納得できるだろうか。お金をどんどん日本で使うのも、社会を発展させるのも外国人。それでいいんだろうか。

僕は、そんな世界はちょっと納得出来ないと思った。悔しいと思った。気持ちの問題で、プライドの話だ。そこまで自分に愛国心なんてものがあるとは思わなかったけど、それでもやっぱり悔しかった。だから、動いた。

そんな中、大企業も中小企業も、我先にとどこかリスクを負って動き始めている時代を感じた。なんだか、すごく、これ以上ないほどに嬉しくなった。きっと、まだまだ日本はやれる。とてつもない能力が眠ってる。そんなワクワク感があふれた時代がすぐそこにあるんだなと感じる。

挑戦する、ということの定義が、たんなる趣味趣向からこれからの社会に絶対的に必要な要素に変わったのを感じた。だから、負けてられないと思った。こうなったら、自分も何がなんだって、そこに一発、何かを重ねてみせる。そして世界を変えてみせる。そんなワクワク感が、今は心のなかに渦巻いている。こうやって、何か前に向けて進んでいる社会が、やっぱり好きだ。

このまま、どんどん挑戦を重ねて、昔のように世界を牽引するような社会が日本に息づくことを願っている。自分も指を加えてみてはいられない。絶対に何が何でも、その一翼を担ってやる。その想いがあれば、実際、社会が挑戦に対してどう認識しているかなんて、特に考える意味も無いことなんだけどにもさ。

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