今までの会社、チームのあり方は、ほとんどの場合、人種を越えることはありませんでした。日本の会社であれば、ほとんどの場合、日本人だけで構成されており、まわりを見渡しても異なる人種の人材が共に働いている、という環境は、ほぼ無かったはずです。ところが、現在の世界では、状況が代わってきました。
最近の顕著な例で言えば、ラグビーがあります。かつての歴史の中でも快挙を遂げたラグビーですが「日本人以外の選手も多数いる」ということが話題になりました。しかし、実際の規定を見ると、別に国籍が重要なわけではなく、メンバーとして認められる条件さえクリアしていればチームで戦えるわけです。
ビジネスや企業についても状況は一緒です。条件さえ当てはまれば、国籍は関係ありません。要するに日本の企業だから日本人を多く採用する、というのは、単純に組織自体が言語や文化における壁を乗り越えられなかったがために起こっていたことであって、本来、優秀であればさえ国籍はまったく関係ないわけです。
今後、技術の発達や、オンラインにおけるコミュニケーションツールの進化により、世界中全ての人材と一緒に仕事が出来るようになってきます。例えばリアルタイム翻訳機能の進化。これは言葉の壁を越える助けになるでしょう。リモートで活動するチームを管理するためのサービスもどんどん現れています。
例えばTimezone.ioというサービスでは、社員が今どこのエリアにいるかが分かります。繋ぎっぱなしのビデオアプリSqwiggleを使えば、リモートでも他の社員が常に隣にいるような感覚で、作業が可能です。Skypeのリアルタイム翻訳のような機能は、言語の壁を越えていくことに役立ってくれることでしょう。
海外ではWordPressのチームや、Bufferというサービスの例が有名ですが、これらのチームは、組織の活動をリモート化することによって、世界中の優秀な人材を集め組織を効率化することに成功しています。先ほどご紹介させて頂いた、Timezone.ioは、Buffer社員が制作したものであることも広く知られています。
ツールや意識の変化により、日本の組織だから日本人が多い、ということは無くなってくるでしょう。現在はまだ、実際に多国籍の人材が交差するチーム、というのは実現が難しいのかもしれません。しかし、世界に目を向ければ、既に国籍など関係なく、世界中から優秀な人材を集めて組織を強くする、なんてことは当たり前です。世界の有名な企業に目を向けてみれば、優秀な人材であれば世界のどこにいようが一緒に働くことが出来る時代になってきています。
日本の優秀な人材もどんどん海外の企業に引きぬかれています。例えばGoogleが東大で人工知能を研究している学生を中心に、高額な年収を提示して引き抜いている話はよく知られています。むしろ日本人だからといって日本の企業で働くのではなく、アメリカへ留学し、そのまま世界トップクラスの大学を卒業、世界的大手企業に就職するという道もあります。日本国内よりも海外の方が働く環境としてフィットすれば、もちろん海外という選択肢もあるわけです。
今後の人材の引っ張り合いは、日本の競合同士で行われるのではありません。次第にオフィスに来る必要が無くなり、世界のどこでもチームメンバーとして働ける環境が整ってくると、国境や居場所は関係なく、世界中の企業による世界中の優秀な人材の獲得競争が始まっていくでしょう。
72億人の中から自分たちの状況にフィットする、かつ優秀な人材の募集をかけることと、日本人口の1億人から人材を探すこと。どちらが優秀な人材が集まる可能性が高いでしょうか。単純に考えても前者です。とは言え、72億人全員が日本のように高等な教育を受けているわけでも無いので、実際、72億全員が対象ということは無いのでしょうが。
日本企業対日本企業の構図ではなく、人材の獲得も含めて日本企業対世界中の企業といった構図になってくることは、当然の流れです。というよりも、既に時代は、世界からやってくる製品やサービスが競合になることは当然で、世界中から優秀な人材が集まっている企業を相手に、どうやったら勝ち残ることができるのか、を考えなければいけない時代になっています。
勝ち残るためには、日本企業も、言語や働き方の壁を取り払い、優秀かつ自分たちの組織にフィットする人間を、世界中から見つけ出していかなければなりません。本来、企業としての目的を達成することに国籍の話は全く関係がないのです。その中で世界の人材の方が優秀だと認識され、日本人の需要がなくなったとしても仕方ないのだと思います。そのために、もっともっと私たちは力をつけなければならない。大した仕事もしていないのに高額な給料を貰える時代は、もう終わりです。
そんな時代を強い組織として迎えるために、働き方を変え、ツールを使い、世界中の優秀な人材と一緒に企業を盛り上げていけるような体制を作り、会社のあり方をより柔軟にしていく必要がありえるのです。柔軟な働き方であったり多様性が叫ばれている現在、それは日本から使われていなかったリソースを生み出すということの他に、海外の人材が日本人という国籍を越えて価値を発揮してくる前触れでもあるのです。
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