シリコンバレーに、とても実用的な、仕事づくりの考え方があります。
リーン・スタートアップという考え方です。
これは「リスクを少なく」「なるべく最速で」仕事を作るための考え方なんですね。
今の時代は、変化の早い時代です。人の好みも、文化も、流行りも、テクノロジーも、ありとあらゆるものが、凄まじいスピードで進化を続けています。
基本的にシリコンバレーに集まる人々は、既存にある仕事には興味がありません。
新しい仕事を作り、世界を変えたり、社会に大きな変化をもたらすことに集中しています。
結果、進化の早い世界の、更に先にある、まったく世の中に存在しないサービスを作っていることになります。
今までに無い仕事を作りだすので、今までの世界の中で参考にできるものがないわけですね。
そんな状況で、どうやってリスクを下げ、より新しい仕事を成功させる可能性を増やすか考えた末に、リーン・スタートアップという方法が生まれてきました。
リーン・スタートアップで立ち上がる仕事は、基本的に先に成功するという確証があってやるわけではありません。
もしろん、自信はあるでしょうが「それで間違いない」と起業家が信じて突き進んでやるわけです。
失敗する確立も高いのですが、その分、成功したときは一気に社会を変えるような可能性を秘めています。
さて、質問です。
まだ見たこともないサービスや商品を試す時、一気に全て作り込んでリリースしたら、どうなるでしょうか。
高い開発コスト、長い時間、膨大な労力や投資をして、リリースしたら。
もし失敗したとき、全てが無駄になりますよね。
所詮、いくら事前に調査をしても、どんなデータを引っ張ってきても、基本的に仕事作りは「やってみるまでわからない」のです。
事前に「こうだろう」という予想で徹底的に作り込んだとしても、結局、やってみなければ本当に人々がそれを必要としているのか、なんてことは分からないわけです。
どれだけ事前に入念に準備をしたところで、それがどれだけ成功確率をあげるかと言えば、たいしたことはありません。
これは、何も未知の事業に取り組む時ばかりではありません。
自分自身で小さく何か始める時。会社で新しい事業を立ち上げるとき。いくら調べたところで、ライバルと大きく差別化して出していこうと考えたら、それは全て「未知」になります。
やってみるまでわかりません。
なので、頭の良い起業家の人たちは「最低限作ったところでリリースして、お客さんに使ってもらおう!」という発想になったわけです。
いくら机上で調査したところで、ヒアリングをしたところで、実際にやってみないと分からない。
であれば、最低限ビジョンを実現できる段階まで作って、実際に使ってもらい、フィードバックをうける。そして、どれだけの人で、どういった人が、どこで最も使ってもらえるかを探りあてるのです。
上手くいかないと分かったら、すぐに方向転換もしますし、サービスごと方針を変えたりします。
ビジョンやテーマは変えませんけどね。ビジョンやテーマを軸に添えた上で、どんどんアプローチ方法さえ変えていくわけです。
ピボット、なんて呼んだりします。
小さく失敗を繰り返し、実際に使ってもらって改良を続け、素晴らしいサービスや商品を作り上げていく。
こうして、事業に磨きをかけていくほうが早いし安い!ということに気がついたわけです。
ただ、あてずっぽうでやってるわけじゃないんですね、試行錯誤。
リーンスタートアップで大事なのは、しっかり「こうだから今回の結果はこうなったんじゃないか。だから次はこうすべきだ」っていう「仮説」を立てていくことが大事なんです。
難しい言葉を使いたがる人は ( 僕も含め。笑 ) 仮説思考なんて呼んだりしますね。
例えば、失敗したり、何か意見をもらったりしたら、ちゃんと、どうしてそうなったのかを考えます。
そして、次は同じ失敗をせずに、成功にたどり着けるように、しっかりと頭の中に仮説を描いて、修正を繰り返していくわけです。
この仮説思考があるかないかでは、結果に雲泥の差がでます。
むしろ、この仮説がなければリーン・スタートアップとは呼べません。
仮説を元に挑戦した結果で失敗すると、二度と同じ失敗はしませんよね。ところが何も考えずにただただ進めていくと、同じ失敗、似たような失敗を何度か繰り返すことになるでしょう。
また、この仮説を立てて実行することを、凄まじいスピードで展開していくわけです。
例えばこんな調子です。
たっぷり時間をかけて作り上げた商品があるとします。これまでの日本のやり方ですね。
お金をかけて、ちゃんと企画書つくって、何度も何度も上司と相談して、データも揃えて、手順を踏んで、お金もかけて、ようやくリリースばんさーい。
ところが、実際にやってみたらそんなに上手くいかなかった、なんでだろう?
これまでのやり方は、たった1回試するだけで、莫大な時間と労力を投じていました。
ところが、リーンスタートアップは違います。
企画たてました、作りました、出しました。
あまり上手くいきませんでした。さて上手くいかなかったのは、なんでだろう?
もしかしたら、これが悪かったのかもしれない。じゃあ治そう。
はいリリース。今度は予想してたとおりになった、ばんざーい。
以上のサイクルを、これまでの長ったらしいやり方で一回試すまでの間に、5回は試しています。
机上の空論を積み重ねた1回の挑戦と、実際に現場の反応を見た5回の挑戦。
どっちが、結果が出ると思いますか?
言うまでもなく後者です。
これまでの事業速度がまるで止まって見えるほどに、早いスピードで仮説と検証、修正を繰り返していくんですね。
ものすごい速度でちゃんと考えて挑戦していくこと、これがリーンスタートアップの醍醐味なんです。
長々と書きましたが、実際ははじめの一歩くらいしかお話してないんですね。
リーンスタートアップも、言ってみれば、決まった流れみたいなのがあるんですが、ちょっと最初の一歩にしては堅苦しくなっちゃうので、お話するのを辞めました。
もし、もっと知りたくなったら、そのうち僕が書くかもしれませんし、今すぐネット検索をかければ、色々出てくるとは思います。
ただ、分かりずらいと思いますけどね。
この手の話は、本当にカタカナの用語が多いんです。
なので、慣れていないと結局、何言ってんだこいつ、みたいな感じになってしまうこともあると思います。
でもカタカナとか専門用語って、わかんないなぁと思っていながら、どこかでふと理解できる瞬間があって、その繰り返しでいずれは読めるようになっていく、という話かなと思います。
まあ、元々が海外発祥なので、仕方ないですね。
とは言え、リーン・スタートアップの元はトヨタが作ったものなんですけど。笑
もっと日本語使っていきたかったら、日本から新しい手法ややり方をどんどん作り出していこうぜ、って話かもしれないですね。
最後のまとめは、何のまとめにもなっていなかった気がしますが、ひとまずこの辺で。
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