マーケティングを駆使すれば売上があがるのは事実である。
しかし、もっと大切なものがある。
いかに「他に比べて商品やサービスが優れている」かだ。
端的に言うと「圧倒的な差別化」である。
競合の商品と差別化されていない戦いは辛い。
たくさんの競合と、比較検討されることになる。
とはいえ、競合が少ない市場だったとしても同じだ。
ユーザーにとって他社と違いが分からない商品では売りにくい。
差別化が薄ければ、マーケティングにもコストがかかる。
強みが明確でない場合、最終的に顧客はたくさんある商品やサービスの中の1つと認識する。
あとは、価格競争に持ち込まれ、安い方が購入されるとなっても仕方ない。
単に価格競争や広告費の大きさに勝敗を持っていかれてしまう。
何が他と比べて差別化されているのか。
圧倒的に「これだ!」という差別化を見つけ出す必要がある。
とはいえ、そう簡単に強みは言語化できなかったりする。
例えば、既に飽和状態の業界で勝負をかける場合だ。
洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫。
こうした家電製品の明確な違いを認識できている人はどれだけいるだろう?
飽和状態の業界では、なかなか差別化なんて見つけ出せないものだ。
昔ながらの商品であったり、布団であったり、鞄であったり、食品であったり。
それらは、一見、微々たる差別化しか見いだせないように見える。
だが、差別化はどんな状況でも出来ないことは無い。
今回は、圧倒的な差別化を作り出すための方法についてまとめてみた。
最初から「ん?」と思った方もいたかもしれない。
一見、商品の差別化とは別の視点だからだ。
それでもビジョンは商品の差別化にとって、圧倒的に大切だ。
有名な理論で言えば、ゴールデンサークル理論というものがある。
サイモン・シネックという人物が生み出したものだ。
WHYからHOWへ。HOWからWHATの流れでビジネスを始めていく考え方だ。
通常、人がビジネスを始める時「何 ( WHAT ) 」をするか、から考えがちだ。
だが「何」から入ったところで、人々には響きづらい。
大切なのは「なぜ ( WHY ) 」それをやるかということだ。
例えばAppleは世界を変えるために、コンピューターを作っている。
世界を変えるというビジョンがもたらした結果が、コンピューターだった。
だからこそ、ビジネスに壮大な物語が生まれ、その物語に人は反応した。
ビジョンに惹かれて、買いたいと思うのである。
例えば、Appleがコンピューターを作る時、普通だったらどうだろう。
単純に性能のいいコンピューターを作る企業なのだとしたら。
もしも「なぜ」をないがしろにしていたら。
今のようなイノベーションは起きていなかっただろう。
人々が、Appleを魅力的な存在として認識することはなかったからだ。
「なぜ」それをするのか。
「世界を変える」ため。
だからコンピューターも作れば電話も作り、音楽もやる。
それらは世界を変えるために必要なことだった。
だから一見バラバラに見える商品やサービスも受け入れられたのだ。
「なぜ」それをやるかには、大きな力が眠っている。
果たしてAppleには競合がいなかったのか。
そうではない。
果たして携帯電話を作った企業が他になかったか。
そうではない。
既に数多くの商品やサービスがひしめき合っていた。
そんな市場の中でも「世界を変える」という「なぜ」が強みとなったのだ。
「なぜ」が人々の心を掴み、Appleのファンとして今の礎を築いたのである。
人の心を掴み取ることが、そのまま商品の差別化となったのだ。
結果、今の世界をつくりあげた。
さて、あなたの商品に落とし込んで見ると、どうだろう。
布団だろうが、財布だろうが、商品はなんでも構わない。
そこに「なぜ」売るのかというビジョンはあるだろうか。
なかったのであれば、打ち立ててみるといい。
儲かるから、では駄目だ。
大切なのは、売る理由があるのかどうかだ。
例えば、布団を売るのであればどうか。
本当の「布団の良さ」を徹底的に普及したい。
それでもよいだろう。
生まれてくる作戦やアイディアは、数多く存在するはずだ。
自分は世の中に対してどういう影響を与えたいのか。
「なぜ」それをするのか、じっくり考えてみるといい。
結果的に「儲かるから」より上手くいく。
ビジョンを語ることは、商品を差別化する方法の1つだ。
商品自体を開発できる状況にない場合、どうすべきだろうか。
たとえば、代理店が売る場合。
開発とマーケティングの部門が完全に分かれる場合。
そもそも、商品に手をいれられないならどうすればいいだろうか。
「商品の差別化」と言われたところで、どうして良いものかと迷うだろう。
その場合は、商品以外で差別化できる箇所を探すべきだ。
例えばサービスを極めるのはどうだろうか。
商品の使い方やサポートを徹底する。
スムーズに購入出来る。
購入の際にポイントをつける。
商品に手を入れることがなくても、差別化は出来る。
購入する際、または購入後のサービスを徹底的に考えてみよう。
ユーザーに選んでもらうための差別化が見つかるはずだ。
もちろん、マーケティングだけに頼っても、本質的な解決になっていない場合もある。
他社が同じ価格帯で、より優れた商品やサービスを持っていた場合だ。
商品の根本的な魅力で明らかに劣っていた場合、マーケティングで誤魔化せるのも一瞬である。
次第に世間は商品の差で、他社を選ぶことになるだろう。
本質的に差別化された商品でなければ、結局、厳しい戦いを強いられる。
世界で最も成功しているスタートアップ養成所がある。
Yコンビネーターというベンチャーキャピタルだ。
シリコンバレーで運営されている。
ここでは3つ、ルールがある。
「それ以外は何もするな」と言って起業家が育てられる。
とにかく商品やサービスの質が第一と伝えられているのだ。
まずマーケティングより、商品の魅力が最低条件である。
結果、世界でも有名なサービスや商品を数多く生み出している。
これは、商品の突き詰められた魅力がなせることだ。
絶対に他者に負けないと言い切れる「商品の差別化」が必要だ。
この違いを、考えてみることから始めるべきだ。
ユーザーの声、お客様の声は、経営者にとって聞き難いものでもある。
ありとあらゆるクレームや不平不満を受け止めなければならない。
どんなに良いサービスでも、必ずクレームや不満は存在している。
ある人が最高の評価をしても、一方で最低の評価をもらうこともある。
経営者にとっては辛い内容が、ユーザーボイスにはつまっている。
ただ、これらを避けていては、商品やサービスの進化は遅くなる。
先ほどのYコンビネーターの教えにもあったとおりだ。
ユーザーの声を徹底的に聞きだすこと。
それは、商品を差別化する最重要事項の1つだ。
ユーザーからの不平不満やクレームを正面から受け止め、反映させていく。
悪いところは修正し、重要だと思うところは残す。
大変なことではある。
とはいえ、全力でユーザーと向き合うからこそ先へ進めるのだ。
改善の積み重ねに価値が生まれ、ノウハウとなる。
これを避けていては、自社の成長を遅らせてしまうだけである。
今回書かせて頂いたことは、商売をする上で、至極当然のことだ。
商品自体の差別化をすることも、サービスの質をあげることも。
ビジネスを仕掛ける側としては、あまりにもあたり前の事実である。
しかし、想像以上にその本質はないがしろにされる。
差別化を避けてマーケティングの力に頼ろうとする人は多い。
確かに一時的に効果はある。
一定の成果をあげることは出来る。
だが、何度も言うようにそれらは一時しのぎにしかすぎない。
本当の意味で継続的な成果をあげるのは無理だ。
絶対に「これは負けない」と言えるような差別化が必要なのだ。
そうでなければ、遅かれ早かれ、価格競争に巻き込まれてしまう。
現在、価格を落とすしか作戦が無い、という業界がいくつかある。
何も新しいアイディアや差別化を生み出せなかった業界だ。
突き詰めて考えれば差別化は見つけることは出来る。
それこそ「頭がちぎれるまで」考えてみよう。
きっと、価格以外の打開策が見つかるはずだ。
商品やサービスの圧倒的な差別化を無しにして、継続的な勝利は厳しい。
まずは商品やサービスについて考え、質をあげよう。
差別化を見つけ出し、それからマーケティングである。
それでこそ、100%、マーケティングの効力を発揮させることができる。
ぜひ、商品の差別化を作り出し、マーケティングを活用して欲しい。
順を追って本質から解決していけば、商品の売上を伸ばすことも夢ではない。
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