プライベートか家庭か。特に28歳前後になると、いずれかを選ばなければいけない。そんな認識が人々、特に女性に発生してくることは、確かな事実でしょう。
結婚もしたい、子供も欲しい、ただ、やりたいこともやりたい。中にはやりたい仕事をするために、プライベートを先送りにしてしまったという女性もいらっしゃるのではないでしょうか。
この状況を考えると、まだ男女の間で育児に対する認識が異なる、という現実が浮き彫りになってくるのですが、今回は家庭内の関係性ではなく、リクルートさんの取り組みのお話です。
ダイバーシティという言葉があります。ダイバーシティとは「多様性」を意味します。個人の違いを尊重し積極的に活かしていくことで、常に変化し続けるビジネス環境に対応、企業の優位性を見いだしていくことです。
リクルートホールディングスにはダイバーシティ推進部が存在します。
2008年より同社は改善策を打ち出しはじめました。在宅勤務制度、事業所内保育所の設置、ベビーシッター法人契約など、仕事とプライベートの「両立支援施策」を開始したのです。
結果的に、それまで10%未満であったワーキングマザー比率が、5年後には23.2%と急激に上がったと言います。
やがて「両立支援」に成功した同社は、「活躍支援」にシフトしました。
家庭と仕事の両立、ではなく、女性が家庭を持ちながらも、職場で活躍できる道を模索しはじめたのです。
従業員へ、ダイバーシティに関する43項目のアンケートを行った結果、男性社員と女性社員の考え方の違いが明らかになりました。
男性社員は成長の証として役職を求める傾向にあり、
一方で、女性社員は達成したい理想を実現させるために、手段として役職を求める傾向にあったのです。
例えば男性社員から、本人の成長を基準として役職をすすめられたとします。「役職について上を目指しては?」「もっと成長できる」などでしょうか。
ただ、女性社員は成長そのものではなく「目的」を基準とするので、達成したい目的と異なった場合、役職へつくことを拒んでしまうことになります。
そこで、自己実現のために「役職という選択肢もある」というアプローチ方法に切り替えることで、女性社員はもっと、役職を受け入れやすくなるかもしれません。
男女間ではキャリアに対して大きな考え方の違いがあります。
その事実を認識し、受け入れ、コミュニケーションを買えていくことが、女性が役職へ踏み出す一歩を生み出していく可能性となるのでしょう。
2011年度から同社は「Career Cafe 28」という活動を行っています。28歳、女性の岐路とも言える時期に、先輩のワーキングマザーや、グループ会社の女性社員と一対一で面談をし、将来への不安を解消することが目的です。
「Career Cafe 28」は女性社員のみなさんにとって刺激のある場になっており、なんと満足度も100%だと言います。「相談する人ができて、将来への不安が解消された」、「先輩社員の話やワークを通して、悩みすぎずに、今できることをしていこうと思った」といった、決して悲観的ではない、プラスとなる感想が多い、とのことです。
こうした試みを続けた結果、女性の労働環境は大きく改善しました。
決して誰かに強要されるのではない、自分自身が「働きたい」と思える環境。ここでなら「働ける」と実感できる職場にしていくこと。男女間の考え方を尊重し、今なお男性の思考主体な労働環境を改善していくこと。結果的にその試みが生産性をアップさせ、同社を支えているのでしょう。
日本の将来を明るくしていくためには、新しい労働力の活性化を促す必要があると言われます。それがこれまで人生の岐路において「働きたいけど働くことを諦めていた女性」たちだとすれば、とても力強いことなのでしょう。
ダイバーシティという活動そのものの認識が、どんどん企業活動の中に取り入れられていくことに、たくさんの可能性があふれているのですね。
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