近未来の働き方がすぐそこに。HoloLensが作り出す新たなワークフロー。

公開日 : 2015-11-22 / 最終更新日 : 2023-11-12

近未来の働き方がすぐそこに。HoloLensが作り出す新たなワークフロー。

VRヘッドセットをご存知だろうか。最近、よく話題にあがる技術なので、知っている人も、多いだろう。頭に装着し、目をサングラスの大きなもので覆うような機械である。VRヘッドセットを装着すると、目の前のヘッドセットの中に映像が […]

著者: 上山 翔太

VRヘッドセットをご存知だろうか。最近、よく話題にあがる技術なので、知っている人も、多いだろう。頭に装着し、目をサングラスの大きなもので覆うような機械である。VRヘッドセットを装着すると、目の前のヘッドセットの中に映像が映し出され、360度、すべての視野で映像の中に入ることができる仕組みだ。正面はもちろん、右を見れば右の映像が、左を見れば左の映像が、まるで現実世界に上書きされたように、仮想世界が現れる。まるでSF映画の世界に迷い込んでしまったかのような技術だ。

ヘッドセットは日本でも開発されている。プレイステーションというゲーム機はみなさん、ご存知だろう。プレイステーション用のヘッドセットも発表されており、実際のゲームで使用することができる。仕組みはオキュラスのヘッドセットと、そこまで大差ない。それらのヘッドセットは、2016年、つまり2015年現在から考えると来年にはリリースされる。来年以降、ゲームという存在は、頭にヘッドセットを装着し、360度の視野の中でプレイするものになっていく可能性があるということだ。

とにかくまずは一回みてみたほうがわかりやすい。

ゲームを中心として盛り上がるVRヘッドセット。ところが、最近、ゲームという枠組みを越えて生活にも仕事にもフル活用できるようなヘッドセットが発表された。発表したのはMicrosoft。その名も、HoloLens、である。これは、ゲームという世界から飛び出して、現実世界に仮想現実を合体させる。なんの話をしているかわからないと思うので、ひとまず、下記の映像を見て頂きたい。

さて、いかがだろうか。見事なほどに、仮想現実と現実世界が合体している。もともと、ARという概念があった。拡張現実という言葉で表される。現実を拡張すること。つまり、デジタルの力でより、現実を便利にしていくということだ。

AR(拡張現実)を越えてMR(複合視実感)へ。

数年前、セカイカメラというアプリケーションがスマートフォンで配信されていた。セカイカメラは、現実の世界をスマートフォンのカメラ機能を通してみると、その「場所」にコメントやデータを残せる、という仕組みだった。つまり、例えば旅行に行って、その場をセカイカメラのアプリを起動させると、まずカメラが立ち上がる。ちょうどカメラを通して世界を見ているイメージだ。そこに、スマートフォン上でコメントを残すと、他のセカイカメラユーザーが、残してあるコメントをアプリ越しに見ることができる。

今回Microsoftが発表したHoloLensのように現実に仮想現実を重ね合わせるという概念は、もともと存在していた。ただし、実用性にかけるアイディアが多く、なかなか一般化するまでにはいたらなかった。ところが、HoloLensは、セカイカメラのような現実の拡張を、はるかに高い次元で実現させ、実際に仕事や生活のあり方を変えていくようなクオリティを生み出したのだ。このように現実と仮想現実を高い次元で重ね合わせる技術はARという概念を越えて、MR ( Mixed Reality ) という概念に至る。

HoloLenzにはWindows10も搭載されている。

ちなみに、HoloLensそのものにはWindows10が搭載されており、それ自体がパソコンとして機能可能であることを意味している。これがどういうことかというと、従来のパソコンの概念を、さらに変えてしまうであろうということだ。現段階では3000ドルと高額であるため、それこそプロフェッショナル向けの製品として販売されるのだろう。単なるゲーム機として3000ドルを払うというよりは、新規のハイスペックのパソコンをプロフェッショナルが購入するような心算でなければなかなか手がでない。つまり、初期の段階では仕事のあり方に対して、最も親和性の高い使われ方をするだろう、ということだ。

上記の映像を見ることでなんとなく把握できるかもしれないが、特に3Dとの親和性が高い。平面的なデザインや仕事をする上では、作業そのものにそこまで大きな違いはでないだろう。

ただし、現在のパソコンが持つ「ディスプレイ」が全て、3D空間で再現されることになる。もちろん、パソコンの作業画面も、仮想現実のなかでこと足りてしまう可能性が高い。Windows10搭載なのだから、もちろんスプレッドシートやワードといったソフトも使えるだろうし、HoloLensが1つあれば、ディスプレイを持ち歩かなくても、その場で仮想現実上のディスプレイを開いて作業することもできる。

実際に使ってみないと何とも言えないことは確かにあるが、実際のパソコンを補完する機能と可能性は、それだけでも十分に備えていると言ってもいいだろう。つまり、HoloLensとは、現在、各家庭に1台は必ず存在するパソコンが、そのままそっくりヘッドマウントディスプレイに置き換えられる可能性を示しているのだ。

HoloLensによってあらゆるディスプレイが必要なくなる。パソコンも持ち歩かなくてすむ。

そして、大きな可能性として考えられるのが、あらゆるディスプレイが必要なくなるということだ。HoloLensの場合、我々がディスプレイの中に入ってしまったようなものだ。空間そのものをディスプレイとして、様々なアプリケーションを立ち上げていく。現在のパソコンでも、ディスプレイの中で様々なアプリケーションを立ち上げているが、それらが全て、現実の空間をステージとして、好きな場所に配置することができるのである。

そもそも、部屋にディスプレイが必要なくなる。これまで、巨大なディスプレイを購入すれば、数十万円の支払いが発生した。ところが、仮想現実上では、ディスプレイの大きさなど自由自在だ。パソコンのなかで動画プレイヤーを開けば、大きさを自由に変えられるが、その動作を現実に重ね合わせると、超大型テレビのサイズでさえ、仮想現実のなかで再現できてしまうことになる。

iPhoneが発売されて、CDウォークマンは無くなった。レコードも、愛好家たちが購入するだけのものとなった。なぜなら、音楽がデジタルデータの中で販売され、消費されるようになったからだ。ディスプレイそのものもデジタルデータとなり、もし普及していくとしたら、最終的にディスプレイそのものが、愛好家が使うものになっていくのかもしれない。もちろん、今の段階では価格も高く、複数人で見ることへの対応がなされていない以上、ディスプレイがなくなることはないだろう。ただ、個人で行う作業や、特に1人だけで楽しめればそれでOKと言った場合は、HoloLens一台でこと足りてしまうのかもしれないが。

特に3Dと実物を同時に扱うことで、数多くの仕事の方法が変わる。

デモの中でいくつか出てきたが、3Dを扱うことで仕事の効率を向上させることができる業界には、大きな変化がもたらされるだろう。例えば、建築。建物の構造や雰囲気、あらゆる詳細部分を3Dによって確認することで、作る側も作ってもらう側も、よりイメージを深められるようになるだろう。感覚的に建物の構造に手を加えられるのであれば、それこそクライアントが実際に触って希望を伝えることができるようになるかもしれない。医療もそうだ。一体、体内のどこがどのように悪いのか、目の前でリアルな3Dで再現し、意思の疎通が取りやすくなることだろう。

建物の話で言えば、例えば家の購入。モデルルームなどを訪れることがこれまでの基本だったが、これからは四角い部屋にHoloLensをつけて足を運べば事足りる。部屋全体を3Dモデルで覆えば、瞬く間に部屋の出来上がりだ。しかも、次の瞬間には全く別の内装に変化させることもできる。これは、家を販売する中で、モデルルームを作る必要もなく、実際に現地に足を運ぶことがなかったとしても、室内や物件の様子を事細かに再現することで、より顧客にイメージを想起させることができるだろう。そして、実際に気になった物件にだけ直接足を運べばいいだけの話だ。

他にも実際に行けない場所の体感が可能となる。例えば火星。火星に直接行くことはまだ出来ないが、周囲を3Dで覆って再現することは可能だ。また、地球上の遠く離れた空間を周囲に3Dとして展開することによって、より深く現地の空間を感じ取ることができる。これは、例えば観光業におけるプレゼンテーションにも使えるのではないだろうか。例えば、これまでパンフレットを見せて現地の様子を伝えることしかできなかった内容を、実際に体感してもらうことによって、より臨場感を伝えられる。

また、バイクのように複雑な構造を持つ機械の設計にも大きく役立つ。実際にパソコンの画面やカタログで見せるよりも、リアルな3Dモデルを目の前に表示させ、なおかつその場で感覚的に作業できるとしたら、話は早い。特にデザインにおいては、微妙な調整から色の変換まで、より深いイメージを持って作業を進めることができる。3Dプリンタが普及したら、目の前で直感的に3Dモデルを作って、3Dプリンタで印刷する、ということも可能になる。実際にデモの中ではドローンの3Dモデルを目の前で簡単に作ってみせた。後は、プリントすればOKという話なのだろう。

もし、自らの姿を映し出せるカメラが今後発売されたとして、HoloLensと連動ができるとしたら。ミーティングの方法も変わっていくだろう。それこそスターウォーズのように、目の前に相手をホログラムとして出現させて、お互いに会話することができるようになる。さらに、実物の商品を目の前に表示させて、資料とすることも可能になる。実際に手元にない商品や物質を、3Dとして目の前に表示させることで、より理解を深めることができる。すなわち、実際に目の前にないけれど、これまで写真や画像でしか伝えられなかったものを、目の前に表示させて話を進めることができる。これは画期的な進歩だ。

通販やネットショッピングの方法も変わっていく可能性がある。例えば、ソファーの購入。現在、インターネットでソファーを購入するときは、サイズを実際に測って購入している。しかし、もしHoloLensが使えれば、実物大のソファーの3Dモデルをダウンロードして、実際に部屋に重ねて配置することができるだろう。カーテンや椅子、テーブルなんかもそうだ。家具や、実際に買ってみないとわからないような商品も、仮想現実を重ねることによって、購入前に容易くそのサイズ感や雰囲気がわかる。なんなら、空っぽの部屋に3Dの家具を実際に配置してから購入してもいいわけだ。この手段を応用すればありとあらゆるネットショッピングや通販が変わる。

舞台やイベントの空間演出もどうだろう。実際に3Dでシミュレーションを製作すれば、その規模感や感覚値が一発でわかる。Bluetuthや他のデバイスとの連動も楽しみだ。カーナビも必要なくなるだろう。よく、IKEAのような大型ショッピングセンターで商品を購入すると、自分で組み立てなければいけない家具などがある。であれば、実際に目の前にホログラムとしてパーツを表示させ、どこがどのように接続されるのかなど、その組み立て方法をすぐに理解することができるだろう。そして、ゲームにおいては現実世界を舞台とした遊びができるのは、デモで表示されていた通りだ。なにより、より優秀で発想力も豊かな人間が、さらに様々な使い方を思いついて、世の中にHoloLensのアプリケーションとしてリリースしていくであろうということだ。正直、今提示した使い方はまだまだ序の口で、より最適な使い方を定時してくれる多くのクリエイターが現れることだろう。

まとめ

いまのところ、HoloLensは一人用に見える。他のディスプレイに出力すれば、空間を共有できるのかもしれないが、実際、ホログラムを重ねた空間を共有したいところだ。だから、熱望されるのが、1台のHoloLenzに映し出された映像を、共有して目の前で見るだけのゴーグルである。特に難しい機能がついているわけではなく、単純に、HoloLensで映し出された空間を共有するだけでいい。本体が3000ドルもするのであれば、何台も購入するわけにはいかない。だから、映像の空間を共有するだけのゴーグルがあったら、どれだけいいかなぁと思う。そうすれば、家族みんなで巨大な画面で映画を楽しむ、ということもできるだろう。

他にも、HoloLensを使っている本人を映し出す、ウェブカメラと接続することで、さらに可能性は広がるだろう。HoloLensで撮影している映像を、リアルタイムで体感することができれば、だいぶ面白そうだ。実際に誰かに通話する時、テレビ電話のように自分と相手の姿を確認しながら話を進めていきたい場合。カメラの映像をHoloLensに送ることができれば、さらにコミュニケーションをつなぐツールとして数多くの魅力を発揮する。HoloLens単体だけではなく、その周辺機器の存在。それらが、Microsoftの正規品であれ、他のなんであれ、アプリケーションと融合し、さらに次世代MRの魅力を高めてくれることは間違いない。

まさに、SF映画の中で起こっていたような機器や発明が、ついに現在に産み落とされはじめている。世界の進化の速度は速いと言われているが、これから先、もっともっと速度感は増していくのかもしれない。そうなった時、新しい文化や知識、テクノロジーを全く使えずに、そのままビジネスそのもののフローが遅れをとるようでは、それこそ世界にどんどん置いていかれてしまうことだろう。常に生まれてくる最新の技術やサービスに目を向け、それが一体どのようにして使われるのかを考え、学び、習得し、徹底的に活用していくことで、今後のビジネスにスピード感を出しつつ、攻めていければと思う。HoloLensは、そんな数ある発明の中でも、今、もっとも世界を変える可能性のあるサービスであることは間違いない。

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