マーケティングに応用! ゲームから読み解くコンテンツの魅力 その2

公開日 : 2015-08-15 / 最終更新日 : 2023-11-10

マーケティングに応用! ゲームから読み解くコンテンツの魅力 その2

僕はゲームが好きです。ゲームといってもボードゲームではなく、テレビゲームです。映像、音楽、物語という映画的要素に加えて「自分で動かせる」という双方向性。デザイン面で言えば、UI、UX、システム、ストーリー、ビジネス、音楽 […]

著者: 上山 翔太

僕はゲームが好きです。ゲームといってもボードゲームではなく、テレビゲームです。映像、音楽、物語という映画的要素に加えて「自分で動かせる」という双方向性。デザイン面で言えば、UI、UX、システム、ストーリー、ビジネス、音楽など、あらゆるデザイン要素を総合的に含みます。言ってみれば、数多くの技術を詰め込んだ、最高のエンターテイメントとさえ思うのです。

だからこそ、日々ゲームと触れていて「これは、もしかしたら、コンテンツマーケティングに応用できるのでは?」と思う瞬間がたくさんあります。今回は、様々なコンテンツに対して応用できそうな要素を、ゲームから抜き出してみたいと思います。何かしらのヒントに辿り着くきっかけになるかもしれません。

前回の記事 :
マーケティングに応用! ゲームから読み解くコンテンツの魅力 その1

見た目の美しさが活きるケースと、そうでないケースがある。

ゲームのグラフィックはどんどん進化し、今や実写と判別がつかないほどになりました。ここまでゲームが進化すると、人は映画の中を自由に動きまわっているような感覚で、没頭できます。一昔前の映像は明確に実写のそれとは別で、実写であることとゲームの間に、大きな捉え方、感覚的な違いがありました。

ところが今はゲームの映像面が進化し、前述の通り、映画のそれとほぼ代わりがなくなりました。こうすることで、人は映画+ゲームという域に到達しつつあるのだと思います。僕がゲームは室内最強のエンターテイメントであると思ったのは、ここにあります。もっともっとゲームが進化することによって、人は映画の世界を体感しながら、その中でゲームの要素を楽しめるようになるでしょう。

とは言え、映画の魅力とゲームの魅力は別種のものなので、映画のユーザーが、ゲームに乗り換えて、映画を見なくなる、という競合関係にはなりません。

また、グラフィックが良いからと言って人気が出る、というわけでもありません。例えば、他のタイトルのグラフィックが全くダメであれば、ずば抜けた映像美で勝てるかもしれませんが、それだけがゲームの要素ではありません。

スマートフォンのゲームや、Nintendo Switchなど、携帯できるタイプのゲームもよく売れています。それらは、PS5級のグラフィックでは無いのにもかかわらず、PS5よりよく売れていたりします。

つまり、これをコンテンツマーケティングやホームページ制作等に置き換えると、デザインの美しさが求められていたり、それをブランドの軸としているからこそ、効果を発揮するということです。

ゲームで言えば、ファイナルファンタジーのメインシリーズなどは、綺麗な映像を売りの1つにしています。グラフィックが落ちていたら、退化したとみなされるかもしれません。一方で、よく売れているスマートフォンゲームなどは、ファイナルファンタジーほど映像が綺麗でなくても売れています。

写真や動画そのものの映像美。ホームページのデザイン性や雰囲気。それらは、デザインや美しい画像、見た目が必要なケースにおいてのみ、効果を生むのです。

例えば、ショッピングサイトの商品写真や、もしくは写真や動画のクオリティ。これらはユーザーに与える印象を大きく変えます。ショッピングサイトで、隅々まで商品の詳細が確認出来る写真と、素人が撮影したような、暗くて汚い写真。どちらが購買意欲がわくでしょうか。もちろん、前者です。

グラフィックを売りとしているゲームはグラフィックを驚愕のクオリティで発信しなければなりません。同じく、デザイン性を売りにしていたり、ショッピングサイトの写真のようなケースなら、視覚的な品質を上げなくてはなりません。

ホームページを中心としたデザインを突き詰める効果は、ユーザーに強い印象を植え付けることです。おしゃれさだったり最先端であったり。デザインに込められる要素は無意識に、ファンに様々な印象を植え付けます。無意識に与える要素が、ユーザーにとってポジティブなものか、何も印象を受けないのか、そうした無意識の違いによって、コンテンツが与える影響は、大きく変化することでしょう。

ただ、注意点です。特にホームページの場合、デザインがめちゃくちゃ優れているから売れる、というケースはそこまで多くはありません。デザインで売上をなんとか出来るのは、デザインが第一に求められる場所である、という最低条件が必要です。

コンテンツ、という広義で考えると、テーマや伝えたいことにインパクトがあったり、共感できたり、感情を引き立てるものであれば、ビジュアルに関してはある程度でもよかったりするのです。みなさん、一度は経験しているはずです。映画、音楽、漫画、YouTuberその他色々な分野で、そこまで見た目のデザイン性や美しさが優れているわけでもないのに、消費して満足度が高かったコンテンツを。

それは、グラフィックがいいから売れるわけではない、というゲームの常識とも当てはまります。映像やグラフィックがよかったところで、中身が面白くなければ、結局、ファンは離れていってしまうことでしょう。

シーンを盛り上げる音楽は、使い所が重要。

ゲームにおいて、大切なのは、シーンを盛り上げる音楽です。人間は音楽だけで泣いたりできます。笑ったりできます。それほどまでに大きな魅力を持っているのが音楽です。

例えばなんでもないシーンでも、音楽が良ければ素晴らしい名シーンに感じもします。ありきたりな展開なのになぜか感動していまったり。特に誰かキャラクターが死んでしまったり、巨大な敵と戦ったりするシーンを盛り上げるBGMは、感情に魔法をかけてくれます。

とはいえ、なんでもかんでも、壮大な音楽を使えば良いということではありません。場合によっては環境音のみ存在することが良い場面もありますし、無音が活きるケースもあるでしょう。

さて、このBGMをコンテンツに応用してみましょう。音楽はそこにあるだけで場面を何倍にも引き出してくれる素晴らしい要素です。ただ、BGMは使いどころが難しいのです。例えば、ホームページでBGMを流したら、基本的にうざがられます。でも、もしそれがYouTubeで見る感動的な動画の背景に流れていたら効果を発揮します。さて、この差は一体なんなのでしょうか。

大きなポイントとしては「ユーザーが音楽が鳴ることを期待しているかどうか」です。音楽が鳴ることを認知した上で、コンテンツを消費してくれるのであれば、大きな効果を発揮します。ところがホームページのように、音楽が鳴ることを知らないし、特に望んでもいないような場合、それらはあまり良い効果を発揮しません。

良くも悪くも音楽は大きな効果を発揮します。音楽が良いと、それだけでコンテンツとなり、面白そうだ、という期待感を与え購入に結びつけたりします。その世界観に没入させてくれる、大きな役割を担います。使い所を間違えなければ、絶大な価値を誇る音楽。ぜひ、時と場所を見極めて使ってみてください。

コレクター ( 収集 ) 要素

何にせよ、収集の要素が人をのめり込ませます。何かを集める。クリアして収集する。そういったコレクターとしての要素が、必ずと言っていいほど、人気ゲームの中には含まれています。基本的に人間は、何かを集めることが好きなのです。

ご自身でもありませんか? 例えば、商品と一緒についてくるおまけを集めていたり。きっと大半の人が、何かを集める、という行動に、一度は踏み入れているのではないでしょうか。

コレクター要素も、実際コンテンツを作る時に役立ちます。長期間、自分の生み出すコンテンツを楽しんでもらいたい。長い間、コンテンツに触れていてもらいたい。そんな時は、何かコレクターとしての要素をいれこんでみましょう。

例えば何かしてもらうごとに、バッジが貰えたり、そのバッジを全て集めると何かあったり。集める、という行動は人を熱中させる何かがあります。収集している最中も、達成した瞬間も、集めてよかったと思えるコンテンツを用意してみましょう。その内容がターゲットの趣味趣向にマッチすれば、きっと、長期間コンテンツに触れてもらえるはずです。

ただし、しっかりとターゲットが誰かを調べ、ペルソナを作り出し、その趣向にあった収集要素を入れることが大切です。全く興味のないものを集めさせても、楽しめませんからね。集めるということを楽しませることが大切です。その結果、収集要素を通じて達成感を提供できれば、きっと、ユーザーは受け入れてくれることでしょう。

進行度合いや成長度合いの数値化

ゲームには必ずと言っていいほど、自分自身のステータスが数値化されています。自分自身の強さが細かく数字で明示されています。ご存知の方も多いと思いますが、国民的漫画ドラゴンボールには、スカウターというツールが存在します。スカウターとは相手の強さを数字で表してくれる便利なツールなのですが、どのキャラクターがどれほどの数字を持っているのか描写されると、ワクワクしたものでした。

また、過去にワンピース展というイベントがありました。ワンピース展のホームページは、まさに数値化が使われていて、コンテンツを閲覧すればするほど、自分自身の「懸賞金」があがっていく、という仕組みになっていましました。結果、多くのユーザーが懸賞金をあげようと、あらゆるコンテンツを閲覧し、FacebookやX(旧Twitter)に投稿、拡散されることになったのです。

このように、現在の進行状況や自分自身のステータスを数値かしたり、ランク付けしたりするだけで、人々はコンテンツにのめり込むことができます。何かを達成することに自分自身のステータスや進行状況が変化していくというのは、前述したコレクター要素とも通じるところです。一昔前の派遣会社にも、そういうのありましたね。仕事をすればするほど、自分自身のランクがあがっていくような。

このように、コレクター要素と合わせて、進行状況やステータスを数値化し、それらを上げるハードルを用意してあげると、人はコンテンツにのめり込みやすくなります。ゲーミフィケーションというゲーム性と人間の消費行動を関連付けたテクニックでは行動の動機付け、なんて呼ばれたりしますが、この動機、というものが大切なのですね。売れるゲームにも大抵、これらの要素は欠かさず入っています。

まとめ

今回はオリジナルの価値観から、ゲームの要素について考えてみました。コンテンツに取り入れてみると、きっと人を魅了し「ハマらせる」仕組みを作り出せるかもしれません。

映像やデザインのクオリティをどう定義するか。音楽を入れて盛り上げられないか。収集要素を入れることは出来ないか。進行状況やステータスを数値化して、コンテンツにのめり込ませることは出来ないか。いずれも、考えてみると、案外、大きなヒントが眠っているかもしれません。

もし、より、ゲームやらコンテンツやらの関係を知りたい方は、ゲーミフィケーションというマーケティング手法を勉強してみるとよいでしょう。数々の企業が取り入れている実践的な内容なので、きっと、あなたの仕掛けにも取り入れられる要素があるはずです。

大人にとってみれば、たかがゲーム、されどゲーム。そう思われるかもしれません。しかし、それらは室内で最強のエンターテイメントを感じさせるほど、素晴らしいコンテンツに作り上げられています。ぜひ、これを機会にゲームの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

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