20代がやりがちな「メンバー集め」の失敗について

公開日 : 2015-08-24 / 最終更新日 : 2023-11-13

20代がやりがちな「メンバー集め」の失敗について

ビジネスをスタートさせる時に最も大事なのが「誰とやるか」ということだ。 誰を仕事のパートナーとするかによって、ビジネスの展開は大きく変わってくる。だが、ビジネスを開始したての頃、この仲間集めにおいて失敗するケースが多い。 […]

著者: 上山 翔太

ビジネスをスタートさせる時に最も大事なのが「誰とやるか」ということだ。

誰を仕事のパートナーとするかによって、ビジネスの展開は大きく変わってくる。だが、ビジネスを開始したての頃、この仲間集めにおいて失敗するケースが多い。特に20代でビジネスを起こそうとした場合に、ほとんどの人が恒例パターンの失敗経験を得る。さて、どのような失敗を犯すのだろうか。

結論から言うと「仲間を集めすぎる」ことだ。世の中には様々な能力を持った人がいる。そして、大人数でグループをつくりだすと「何かが動いている感じ」がする。そして優秀や仲の良い友人に、ひとまず声をかけて自分のチームに入れてしまう。さらに仲間が次の仲間を紹介して引き入れる。

こうして知らず知らずのうちに、収入が発生する前段階から人数ばかりが増えてしまう。20代で何かスタートしようとした場合にどういうわけか陥りやすい罠だ。

仲間意識や居心地の良さで人数を集めてはならない

最初のころは居心地もよいだろう。だが、問題なのは収入を手に入れはじめてからだ。もちろん、人数が多いということは、全員を養えるようにしなければならない。収入が入ってきてからは、いつまでもボランティア隊で働きたいという人は、そう多くはない。

そこでふと気付く。組織が大きいということは、それだけ稼がなければならない。事業開始当初は1人か2人、養うだけでも非常に大変だ。にも関わらず、5人6人、10人15人と仲間だけ増やしてしまったら、養えない人が出てくる。そして収入対象外になった人は自然と淘汰され、人間関係で軋轢が生まれる。

さらに、コアメンバー内でも亀裂が走りはじめる。例えばサービスが成功して、ある程度収益が入ってきたとしよう。すると、やれ誰が一番に考えただの、収入の配分はこうだだの、お金の問題が発生する。

会社化となればさらに大変だ。一体誰を取締役にして、誰がどの役割につくのか。大変な労力を支払って議論しなければならない。本来ならば、こんなところで労力を使っているうちに、サービスを拡大する方に議論を向けなければならないのにだ。ここでトラブルになったら更にまずい。元々良い仲間だったのにも関わらず、お互い訴えあったりするケースもある。

お金のトラブルと、意思決定の遅さが生まれる

つまり、収入を手に入れる前から大きく組織を広げすぎると、いざ収益化出来たときに、数多くの人間関係におけるトラブルを抱えこむことになるのだ。実際、収益化できた後が大変なわけで、そんな所で時間を使っている場合ではない。スタートアップ時の時間は、命と同等の価値を持つと言っても過言ではない。人間関係で悩んでいる時間はどこにもないのだ。

それに、意思決定も遅くなる。人数が多いということは、それだけ、意見に耳を傾けなければならない人も増え、意思疎通が遅くなる。初期段階であるべき「素早い意思決定」が、やりにくくなってしまうのだ。結果、一部の主導権を握っている人々が決めることになるかもしれないが、それはそれで、不平不満を抱える人も増え、少しずつチームが離散していく。最初の段階は特に、人数は少ないにこしたことはない。

これをamazon創業者のジェフ・ペゾスは「ピザ2枚の法則」として伝えている。何かを始める時は、ピザ2枚で足りる人数とメンバーでことを起こすのが良いということだ。

売上に見合った人数を雇用していくこと

正直、理想の形を言えば、1人ではじめることだと思う。まずは1人でサービスを開始して、ひとまず自分が生きていけるだけの収入を手に入れる。そこからお金を貯めるか、もしくは投資家の助けを得て、会社化し、お金に詳しい人とパートナーを雇い入れる。

お金に詳しい人と話し合いながら、それぞれの給料と、収支に関して明確に見える化する。同時にパートナーを雇用し、どんどん会社にお金を入れ、必要に応じて仲間を増やしていく。つまり、最小規模からスタートさせ、利益に応じて組織を拡大していくのがベストである。

さらに、事業が大きくなっても、なるべく組織は最小限で回せるような体制を作った方が良い。必要なリソースは外部からきちんとお金を払って「購入」する。お金がないからと言ってレベニューシェアを持ちかけたりすると、話がややこしくなる。金額が多くなればなるほど相手に支払う額も増えるのだから、いざ収益が増えた時にトラブルの元になるのだ。

シェアの時代だが「人的リソース」は購入した方がいい

収入が多くなればレベニューシェアにも交渉の必要が出てくるだろう。最初10%だったのが5%にしたい、といった類の交渉だ。非常にセンシティブな問題になっていくことが分かるだろう。事業をスタートさせ、拡大していく際にも、必要最小限の人数で展開していく。人間関係のいざこざこそ、事業にとって一番大きな壁になりえるのだから、可能な限りコアにいるメンバーは少ない方がいい。後は純粋に「雇い入れる」のである。

若い段階でビジネスを展開する際は、人間関係での軋轢がとにかく多くなりがちだ。だからこそ、1人、ないしは2人程度で開始し、ある程度事業を盛り上げていく覚悟が必要になる。最初から大勢の人数と関わってしまうと、トラブルが起こりやすいばかりか、意思の決定も非常に遅くなる。

尖った案を貫き通すために

よく「みんなで話し合って決めよう」と言う人がいる。仲間の中にはそのように望む人もいるだろう。だが、最もイノベーションが起こりやすく、最もスピーディーな事業展開が行えるケースが何かご存知だろうか。それは、1人の人間がリーダーシップをとって、発案し、半ば強引にでも実行し、成功させることだ。みんなで話あった案はそれだけ尖った部分がかき消され、平均的な案に生まれ変わってしまう。

一人で作り、リリースした時の尖った部分が、案外世の中に与えるインパクトとなる。必要なのは、尖った案を成功させるように周辺を補強する体制だ。尖った案をへし折ることではない。話し合って丸くなる案だったら、やめてしまったほうがいいだろう。

ただし、時々、勘違いの多いリーダーは、自分の「尖った案」と「わがまま」を混同しがちだ。色々と勘違いと思い込みが重なって、自分の意見を通したあげく、結果的に組織に大きな不利益を与えてしまうことがある。それを懸念して仲間は話し合いを持とうとするのだろうが、そもそも、そういうリーダーならば、仲間も同じ船に乗らない方がいいのだ。

最小単位で動こう

トラブルを避けるためにも、人間関係上のリスクを減らすためにも、尖った案を貫き通すためにも、初期は最小単位の人数ではじめるべきだ。どんな大きな事業であろうが、理想は1人ないしは2人からはじめることである。収益が増えてきた時点で、人員の補強を考える。それまではとにかく孤独な戦いを続ける。だからこそ、スムーズに運ぶ組織を作り出すことができる。

名だたる起業家も、今は大きな組織も、かつてパートナーや人間関係に大きな苦戦を強いられるケースが多い。しかし、経験が少ないうちは、なかなか少人数で踏み込む勇気と力がないものだ。だが、そこでなんとか力を手に入れ、切り開くからこそ、その後のトラブルの無い組織が構築される。組織は最小に。これから何かをスタートさせようとしている人は、ぜひ、参考にしてみて欲しい。

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